
「プロテイン補修」とは何か
ヘアケア商品の成分表示や美容室のメニュー説明で「PPT」「プロテイン配合」「ミルクプロテイン」という言葉を見かけることがあります。これらはすべて、タンパク質(プロテイン)を使って髪を補修するアプローチを指しています。
髪の主成分はケラチンというタンパク質です。ブリーチ・カラー・パーマ・アイロンの熱などでダメージを受けると、このケラチンが変性・流出し、髪がパサついたり、切れ毛が増えたりする原因になります。プロテイン補修は、外部からタンパク質を補って失われた成分を埋め戻すというアプローチです。
この記事では、「PPTとは何か」「どんな種類があるか」「CMCケアとの違い」「どう選べばいいか」を美容師の視点でわかりやすく解説します。
PPTとは何か

PPTとは**ポリペプチド(Polypeptide)**の略で、タンパク質をより小さな分子に加水分解したものです。
タンパク質は非常に大きな分子構造を持っているため、そのままでは髪の内部(コルテックス)まで浸透できません。そこでPPTは、ケラチンや絹(シルク)・小麦・大豆などのタンパク質を細かく分解することで浸透力を高めた補修成分として使われています。
主なPPTの種類
ケラチンPPT(ケラチン加水分解物)
髪そのものと同じケラチンを原料とするため、髪との親和性が高く、パサつき・剛毛感・熱ダメージによる硬化に対して効果が期待できます。縮毛矯正やストレートパーマの薬剤にも使われています。
シルクPPT(絹タンパク加水分解物)
絹糸に含まれるフィブロインというタンパクを分解したもの。極細の分子で髪深部まで届きやすく、しなやかさとツヤを与えます。柔らかい仕上がりを求める方に向いています。
ミルクプロテイン(カゼイン加水分解物)
牛乳由来のプロテイン。分子量が小さく、髪だけでなく頭皮にも浸透しやすいとされています。乾燥ダメージや乾燥頭皮のケアに使われることが多いです。
小麦・大豆PPT(植物性タンパク加水分解物)
植物由来でアレルギーリスクが低いとされるプロテイン。小麦はコシと弾力を、大豆は保湿と滑らかさを補う効果が期待されています。
CMCケアとプロテイン補修の違い
同じ「ダメージ補修」でも、PPTとCMC(細胞膜複合体)ケアは作用する部分が異なります。
| 項目 | プロテイン補修(PPT) | CMCケア |
|---|---|---|
| 補修対象 | コルテックス内のケラチンタンパク | キューティクル間の脂質(CMC) |
| 主な素材 | 加水分解タンパク(PPT) | セラミド・18MEA・脂肪酸 |
| 期待される効果 | コシ・ハリ・弾力の回復 | ツヤ・滑らか・しなやかさの改善 |
| 向いているダメージ | 熱ダメージ・過剰なパーマ・縮毛矯正後 | 繰り返しカラー・ブリーチ後の乾燥 |
**プロテイン補修はハリ・コシを取り戻したいときに向いており、CMCケアはしなやかさとツヤを出したいときに向いています。**理想は両方を組み合わせてケアすることです。サロンのシステムトリートメントは多くの場合、この両方を段階的に重ねる設計になっています。
ホームケアとサロンケアの選び方
ホームケア(シャンプー・トリートメント)
ドラッグストアやサロン取扱い品のシャンプー・トリートメントにもPPTを配合した商品は多数あります。選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
成分表の優先順位を確認
成分は配合量の多い順に記載されています。「加水分解ケラチン」「加水分解シルク」などの表記が上位にあるほど、補修成分が多く配合されています。
分子量(サイズ)の違いを理解
「低分子PPT」は髪内部まで浸透しやすく、芯からのケアに向いています。「高分子PPT」は髪表面をコーティングし、ツヤや滑らかさを出します。商品によってはどちらのタイプかを明記していることもあります。
サロントリートメント(施術)
美容室でのシステムトリートメントでは、1剤で汚れや余分な油分を取り除き、2剤でPPTやCMC系の補修成分を浸透させ、3剤で閉じ込める——という多段階プロセスで行われます。
自宅でのホームケアと比べて浸透量・成分の質・施術時の加熱処理の組み合わせにより、1回の施術で感じられる変化が大きいのが特徴です。
過剰補修(プロテインオーバーロード)に注意
プロテイン補修は有益なケアですが、過剰に与えすぎると「プロテインオーバーロード」と呼ばれる状態になることがあります。これは、タンパクが過度に蓄積されることで、髪が硬くなり、ごわつきや折れやすさが生じる現象です。
以下のような場合は注意が必要です。
- プロテイン配合のシャンプー・トリートメントを毎日使用している
- サロンでケラチントリートメントや縮毛矯正を頻繁に施術している
- 仕上がりが以前より硬くなった・バキバキする感覚がある
この場合は、一時的にプロテイン成分を含まないシンプルなシャンプーに切り替えることで改善する場合があります。担当スタイリストに「最近なんか硬い感じがする」と伝えてみましょう。
まとめ
PPTやミルクプロテインなどのプロテイン系補修成分は、ダメージによって失われた髪のタンパクを補い、コシ・ハリ・弾力を取り戻すためのケアアプローチです。CMCケアと組み合わせることで、内側(プロテイン)と外側(脂質)の両面から髪を補修できます。
ただし、過剰補修にならないよう、自分の髪の状態に合わせた使い方が大切です。「どのトリートメントが今の自分に必要か」迷ったときは、担当スタイリストへの相談が一番の近道です。
多賀城・名取のコスタヘアーでは、髪の状態を見ながら必要なケアのご提案をしています。ホームケアの見直しも含め、お気軽にご相談ください。
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