
縮毛矯正の薬剤が進化している
縮毛矯正といえば「髪が傷む」「一度かけたらずっと続けなければならない」というイメージを持つ方は多いはずです。確かに、縮毛矯正は強い薬剤と高温のアイロンを使う施術であり、一定のダメージが生じるのは事実です。しかし近年、薬剤の開発が進み「従来に比べてダメージを抑えながらクセを伸ばせる」施術が登場しています。その代表格が「システアミン縮毛矯正」(酸性縮毛矯正)です。
従来の縮毛矯正とシステアミン縮毛矯正の違い

縮毛矯正の仕組みを簡単に説明します。髪の毛の強度と形状を決めているのは、ケラチンタンパク質の中にあるシスチン結合(SS結合・ジスルフィド結合)です。縮毛矯正は、薬剤(1液)でこのSS結合を一時的に切断し、熱を使って髪をまっすぐな形に整えてから、酸化剤(2液)で再びSS結合を繋ぎ直すという3ステップで行われます。
従来主流だった薬剤はチオグリコール酸(チオ系)と呼ばれるもので、アルカリ性で強い還元力を持ちます。強いクセにも確実に効きますが、アルカリ性によってキューティクルを大きく膨潤させるため、髪への負担が大きいという欠点があります。
システアミンは、チオグリコール酸より還元力は穏やかですが、アミノ酸の一種であるシステインに構造が近く、髪への親和性が高い成分です。弱酸性〜中性のpHで機能するため、キューティクルへの膨潤ダメージが少なく、施術後も髪のやわらかさ・しなやかさが保ちやすいのが特徴です。
酸性縮毛矯正と呼ばれる理由
「システアミン縮毛矯正」は「酸性縮毛矯正」と呼ばれることもあります。これは薬剤が弱酸性〜中性のpHで機能するためです。髪の健康状態は弱酸性(pH4.5〜5.5)であるため、酸性の薬剤は髪のpHバランスを崩しにくく、ダメージが少ないというメリットがあります。
ただし「酸性縮毛矯正」という呼び方は業界内でも統一されているわけではなく、使用する薬剤・処方・施術方法はサロンによって異なります。「酸性縮毛矯正=必ずシステアミン使用」というわけではなく、グリセリルチオグリコレート(GMT)など他の弱酸性系還元剤を使う場合もあります。
システアミン縮毛矯正のメリット
1. ダメージが従来比で少ない アルカリ剤によるキューティクルの過度な膨潤がないため、施術後の髪が乾燥しにくく、ごわつきが出にくいです。繰り返し縮毛矯正をかける方でも、ダメージの蓄積を抑えやすくなります。
2. 仕上がりがやわらかく自然 チオ系に比べて仕上がりがやわらかく、「ピンピンになりすぎない」「自然なストレートになる」と感じる方が多いです。直毛すぎる印象を避けたい方に向いています。
3. ハイダメージ毛にも施術しやすい ブリーチや繰り返しのカラーでダメージが蓄積した髪には、従来のチオ系縮毛矯正は施術が難しいことがあります。ダメージが大きいとアルカリ剤によってさらにタンパク変性が進み、ビビり毛のリスクが高まるためです。システアミンはダメージ毛への対応幅が広く、ブリーチ後の髪でも比較的適用できるケースがあります(状態によっては不可の場合もあります)。
4. カラーとの同日施術の可能性 システアミン縮毛矯正はチオ系より髪へのダメージが少ないため、カラーとの組み合わせ施術が可能な場合があります。ただしこれは髪の状態や使用する薬剤の組み合わせによって大きく異なり、必ずしも同日施術ができるわけではありません。[担当スタイリスト](/column/change-hair-stylist-timing-manner-guide-2026-05-07)の判断を優先しましょう。
デメリットと注意点
強いクセには効きにくい場合がある システアミンはチオグリコール酸より還元力が穏やかなため、非常に強いクセ毛(太くてスパイラル状のクセ)には十分に伸びない場合があります。クセの強さによっては従来のチオ系の方が適していることもあります。
施術時間が長くなりやすい 還元力が穏やかな分、放置時間が長くなる場合があります。施術全体では3〜5時間程度かかることもあります。
技術者の経験・知識が重要 酸性系の薬剤は扱いが繊細で、適切な放置時間・温度管理・アイロン処理の技術が求められます。経験豊富なスタイリストに担当してもらうことが、よい仕上がりのために重要です。
どんな人に向いているか
- ブリーチ・カラーをしている方で縮毛矯正を検討している方
- 従来の縮毛矯正でごわつき・ダメージが気になった経験のある方
- 自然なストレート・しなやかな仕上がりを求める方
- 細毛・軟毛でダメージが出やすい方
- 産後の髪質変化でクセが出た方(ただし産後は体の回復状況に合わせて判断が必要)
反対に「根元のボリューミーなクセをしっかりストレートにしたい」「一度で確実に伸ばしたい」という方はチオ系が向いていることもあります。どちらが自分に合っているかは、担当スタイリストと相談しながら決めるのがベストです。
施術を受ける前に確認すること
「システアミン縮毛矯正をやってみたい」と思ったら、来店時のカウンセリングで以下を担当スタイリストに伝えましょう。
- 現在の髪の状態(ブリーチ歴・カラー頻度・縮毛矯正歴)
- クセの強さと気になる部分(全体的なうねり?ある部分だけ?)
- 仕上がりのイメージ(自然なストレートがいいのか、ピンとしたストレートがいいのか)
- 希望の持続感と頻度(何ヶ月に一度かけたいか)
これらの情報をもとに、スタイリストが最適な薬剤と施術方法を選定します。縮毛矯正は繰り返す施術だからこそ、最初のカウンセリングが仕上がりと将来の髪の健康を左右します。気になることは遠慮なく質問しましょう。
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