
柔軟剤や香水の香りで頭痛やめまいを感じる、いわゆる「香害」に悩む方が近年増えています。美容室はシャンプーやトリートメント、カラー剤やパーマ剤など、さまざまな香りに囲まれる場所でもあるため、「香りに敏感だけれど、髪は整えたい」というお客様にとって、サロン選びは切実な悩みになりがちです。ここでは、香りに敏感な方が安心して美容室に通うために知っておきたいポイントを、美容師の視点から整理します。
香害とは何か、なぜ美容室で気になるのか
香害とは、柔軟剤や香水、制汗剤などに含まれる香料成分によって、頭痛・吐き気・咳・肌荒れといった体調不良が引き起こされる現象を指します。原因物質への感受性には個人差があり、少量の香りでも強い症状が出る方もいれば、まったく気にならない方もいます。美容室では次のような場面で香りが発生します。
これらが重なることで、香りに敏感な方にとっては来店そのものがハードルになってしまうことがあります。
来店前に確認しておきたいこと

事前に電話やLINEで相談できる場合は、次のような点を確認しておくと安心です。
- 無香料・低香料タイプのシャンプーやトリートメントを扱っているか
- カラー剤・パーマ剤のにおいを軽減する施術メニューがあるか
- 換気設備や個室・半個室の有無
- スタッフの香水・柔軟剤への配慮をお願いできるか
- 施術中に気分が悪くなった場合、途中で中断・換気してもらえるか
「相談したら迷惑では」と遠慮してしまう方も多いのですが、事前に伝えてもらえることでサロン側も準備がしやすくなります。多くの美容室では、無香料タイプの薬剤をあらかじめ選んでおいたり、施術前にしっかり換気をしておいたりといった対応が可能です。
カラー剤・パーマ剤のにおいを軽減する工夫
カラー剤やパーマ剤のにおいは、薬剤に含まれるアンモニアやチオグリコール酸といった成分によるものです。においを抑える工夫としては、次のような方法があります。
- においの少ない低アルカリ・低刺激タイプの薬剤を選ぶ
- 施術中はドアや窓を開け、換気扇を稼働させる
- マスクを着用したまま施術を受ける
- 施術と施術の間に外の空気を吸う時間を設ける
- 苦手な香りのアロマやディフューザーを店内で使用しないようお願いする
すべてのにおいを完全になくすことは難しい施術もありますが、事前の相談によって負担をかなり軽減できるケースは多くあります。特に縮毛矯正やパーマは施術時間が長くなりやすいため、休憩を挟みながら進めてもらうという選択肢も検討してみてください。
スタッフ側にもできる配慮がある
サロン側としても、香りへの配慮は年々重要性を増しているテーマです。柔軟剤や香水を控えめにする、無香料の制汗剤に切り替える、施術前の換気を徹底するといった取り組みは、香りに敏感なお客様だけでなく、妊娠中の方や体調が優れないお客様にとっても快適な環境づくりにつながります。コスタヘアーでも、お客様から香りに関するご相談をいただいた際には、できる範囲で薬剤の変更や換気の徹底など、個別に対応するよう努めています。
我慢せずに相談することが一番の近道
香りに敏感であることは、決して特別なことでも我慢すべきことでもありません。体調に直結する大切な情報として、遠慮なくサロンに伝えてください。事前の一言があるだけで、施術方法や薬剤選び、当日の対応が大きく変わります。自分に合った配慮をしてくれるサロンを見つけて、無理なく美容室での時間を楽しめる環境を整えていきましょう。
自宅でできる香り対策も併せて考える
サロンでの配慮だけでなく、自宅でのヘアケア習慣を見直すことも、日常的な香りの負担を減らすことにつながります。シャンプーやトリートメント、洗い流さないヘアオイルなどを選ぶ際は、香料無添加や微香タイプの製品を意識して選ぶと、髪を洗うたびに香りに悩まされる場面を減らせます。また、ドライヤーやヘアアイロンの熱によって香料成分がより強く立ち上ることもあるため、香りが気になる製品を使った日は、乾かし方や仕上げの工程にも気を配ると良いでしょう。
家族やパートナーの理解を得ることも大切
香害は本人の体調だけでなく、家族やパートナーの柔軟剤・香水の使用にも関わってくるデリケートなテーマです。「においがきつい」と伝えづらく感じる方も多いですが、頭痛や吐き気といった具体的な症状を共有することで、周囲の理解を得やすくなります。美容室での相談と同じように、身近な人にも我慢せず率直に伝えることが、日常生活全体の負担軽減につながっていきます。
まずは短時間のメニューから試してみる
初めて相談する美容室では、いきなりカラーやパーマといった長時間の施術ではなく、まずはカットやシャンプーのみなど、短時間で終わるメニューから試してみるのも一つの方法です。実際に店内の香りの強さやスタッフの対応を確認したうえで、自分に合いそうだと感じられれば、次回以降により本格的な施術を相談してみると、無理なくステップを踏んでいくことができます。
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