
毛量が少ない、髪が細くてペタンとしやすいという方から「まとめ髪やお団子にすると寂しい印象になる」「ハーフアップにしてもボリュームが出ない」というご相談をよくいただきます。実は毛量が少ないこと自体は欠点ではなく、アレンジのやり方を少し工夫するだけで、ふんわりとしたボリューム感のあるスタイルに仕上げることができます。この記事では、毛量が少ない方が自宅で実践できる具体的なアレンジテクニックを、下準備から仕上げまで順を追ってご紹介します。
毛量が少ない人がアレンジで感じやすい悩みとその原因
毛量が少ない方がヘアアレンジで直面しやすい悩みは、大きく三つのパターンに分けられます。
- まとめると一気にペタンコに見える: 髪をまとめる工程で表面の髪が引っ張られて頭皮に張り付き、トップの立体感が失われてしまいます。
- ヘアゴムやピンが目立ってしまう: 髪の絶対量が少ないとゴムを隠すための毛束が足りず、結び目がそのまま見えてしまいがちです。
- アレンジが崩れやすい: 髪が細くコシが弱いと、スタイリング剤やピンで固定してもすぐにほどけたり、時間が経つにつれて全体が下に沈んでしまったりします。
これらの悩みの根本には「下準備が足りていない」という共通点があります。コテで巻く・コーミングをするといったテクニックを駆使する前に、髪に適切なベースをつくることが、毛量が少ない方のアレンジにおいてもっとも重要なステップです。
アレンジ前に必ずやりたい下準備

アレンジを長持ちさせるには、結ぶ前の下準備が仕上がりの8割を決めると言っても過言ではありません。
根元を立ち上げるドライヤーの使い方
洗髪後、根元を指で起こしながら下から上に風を当てて乾かすと、根元が立ち上がりやすい状態に整います。自然乾燥で根元が寝た状態になると、アレンジをしてもすぐに潰れてしまうため、乾かし方の段階からボリュームを意識することが大切です。
スタイリング前の質感調整
乾いた状態の髪はスルスルと滑りやすく、まとめたものがすぐにほどけてしまいます。アレンジ前に以下のどちらかで質感を整えておくと、毛束がまとまりやすくなります。
- ミスト系スタイリング剤: 全体にさっとスプレーして指で馴染ませます。水分で少しだけしっとりさせることで、髪同士が滑りにくくなります。
- ボリュームパウダーやドライシャンプー: 根元にもみ込むようにつけると、髪が持ち上がりやすくなり、コーミングの効果も長続きします。
どちらを選ぶかは髪質によって異なります。ペタンコになりやすい細い髪にはボリュームパウダー、乾燥しがちな方にはミストが合いやすい傾向があります。
バックコーミングでふんわりトップをつくる
バックコーミング(逆毛)はボリュームアップの定番テクニックですが、やり方を間違えると逆にダメージやパサつきの原因になってしまうため、正しい手順を守ることが重要です。
バックコーミングの基本手順
- ブロッキングして、トップとハチ周りの内側の髪だけを取り分けます(表面の髪はそのまま残す)。
- 目の細かいコームを使い、根元から毛先方向に数センチのところに当てます。
- コームを根元方向へ小刻みに押し込むように動かします。一気に強くとかすのではなく、空気を含ませるイメージで数回に分けて行います。
- 終わったら表面の髪をやさしく被せてなでつけ、コーミングの跡を隠します。
表面の髪までコーミングしてしまうと、乾燥したざらついた質感が外から見えてしまいます。あくまでも内側だけに施すことがきれいに仕上げるコツです。根元を立ち上げるように乾かしてからコーミングすると、ボリュームがより長持ちします。
編み込みとくるりんぱで立体感を演出する
毛量が少ない方に特に相性が良いのが、編み込みやくるりんぱを組み合わせたアレンジです。どちらも「束をクロスさせる・ねじる」という動作の中で自然に髪が浮き上がる構造を持っているため、特別なボリューム出しをしなくても立体感が生まれやすい方法です。
編み込みのゆるめ引き出し
編み込みをするとき、編み目をきつく詰めすぎると仕上がりが扁平になりやすくなります。ひと編みごとに少しゆとりを持たせ、編み終わってから指先で編み目を横に軽く引き出すと、編み込み全体がふっくらと広がり、実際の毛量以上のボリュームに見せられます。トップから編み込みを始める場合は、最初のひと束を少し多めにすくうと根元の浮きが強調され、ペタンコ感の緩和につながります。
くるりんぱの重ね使い
くるりんぱは一か所だけでなく、上下に2〜3か所重ねて行うとそれぞれの結び目に高低差が生まれ、後頭部にボリュームがあるように見えます。くるりんぱをした直後に結び目の上の毛束を指でつまんで軽く引き出すと、根元がふわっと持ち上がります。ハーフアップにくるりんぱを組み合わせる際は、後頭部のいちばん高い位置で束をまとめると、横から見たときのシルエットにメリハリが出ます。
お団子・まとめ髪をふっくら見せるポイント
お団子やひとつ結びなど完全にまとめるスタイルは、毛量が少ない方が最も「寂しく見える」と感じやすいアレンジです。しかし、まとめる順番とひと手間を加えることで印象は大きく変わります。
お団子をふっくらさせる手順
まず結ぶ前に毛先を軽く巻いておきます。カールが入ることで髪一本一本にコシが加わり、まとめたときの束の厚みが増します。ゴムでひとつに結んだあと、毛先を丸めて留める前に根元の毛束を少しつまんで引き出しておくと、頭皮に沿ってしまいがちなラインにゆとりが生まれます。お団子を作ったあとも、根元周りの毛束を少しずつつまみ出すようにほぐすと、ぺたっとした印象が和らぎます。
ゴムの結び目を隠すテクニック
ヘアゴムの結び目が目立ちやすい場合は、まとめた束から細い毛束を少しだけ取り出してゴムに巻きつけ、毛先をピンで留めるとすっきりします。それが難しい場合はバレッタやシュシュ、リボンなどのアクセサリーで結び目をカバーしながら、視線をアクセサリー自体に集める方法も有効です。
ピンの刺し方
ヘアピンで固定する際は、地肌に対してまっすぐ差し込むのではなく、斜めに交差させて刺すと滑りにくく崩れ防止になります。特に細い髪はピンが滑りやすいため、ピンを挿す前に固定したい箇所にスプレーをひと吹きしておくと定着力が上がります。
仕上げのスプレーと日常ケアの心がけ
アレンジが完成したら、最後にキープスプレーで固定します。ただし、スプレーを表面から一気に当てると繊維が寄り固まってしまうため、アレンジした形を手で軽く押さえながら、髪の内側からも当てるようにするとふんわり感が保たれやすくなります。
日常的なケアとしては、アレンジの前日にトリートメントで髪に適度な水分と弾力を補っておくことも大切です。水分が足りずにパサパサになった状態の髪は、バックコーミングやピンでの固定効果が出にくく、アレンジが崩れやすくなります。またドライヤーの熱や摩擦によるダメージが蓄積すると、細い髪はさらにコシが失われていくため、ヘアオイルやアウトバストリートメントで毛先を中心に保護しておく習慣をつけると、アレンジのしやすさが長期的に変わっていきます。
毛量が少ない方のアレンジは、髪質や長さによって相性の良い方法が異なります。「自分に合ったやり方がわからない」というときは、ぜひサロンでご自身の髪の状態を確認しながら、具体的なテクニックを相談してみてください。少しの工夫を積み重ねるだけで、毛量の悩みを感じさせない華やかなスタイルを日常的に楽しんでいただけます。
タグ
この記事は役に立ちましたか?
関連する記事

ハーフアップのバリエーション完全ガイド|シーン・長さ別に使い分けるまとめ方のコツ
ハーフアップは「簡単・おしゃれ・どんな場面にも対応できる」万能ヘアアレンジです。シーン別・長さ別のバリエーションと作り方のコツをまとめました。
約6分で読めます

運動会・体育祭のヘアアレンジ完全ガイド|崩れない子供のまとめ髪と保護者のスタイル
運動会・体育祭シーズンに向けて、崩れない子供の編み込みアレンジと、動きやすく涼しい保護者のまとめ髪を美容師が解説する。
約5分で読めます

ヘアゴム痕を残さないまとめ髪テクニック|ゴム跡ゼロで一日キープする方法
「ゴムを外したら跡がついてぺたんこ…」そんな悩みを解決する方法を美容師が解説します。ゴムの選び方から巻き方・ほどき方まで、ヘアゴム痕をゼロにするテクニックを紹介…
約5分で読めます

夏のヘアアレンジ|簡単まとめ髪5選を美容師が解説(ポニー・お団子・ハーフアップ)
夏のヘアアレンジに迷ったら。暑い日に首元をすっきりさせる簡単まとめ髪を美容師が5つ厳選。ローポニー・お団子・ねじりハーフアップ・くるりんぱなど、不器用さんでも崩…
約5分で読めます

シニョン・夜会巻きの自分でできる作り方|美容師が教えるセルフアップスタイル完全ガイド
シニョンや夜会巻きを自分でキレイに作る方法を美容師が丁寧に解説。必要な道具の選び方から、崩れにくいピン留めのコツ、場面別アレンジのポイントまで網羅。多賀城・名取…
約6分で読めます

ロープ編みアレンジ完全ガイド|美容師が教えるやり方・アレンジ展開・崩れないコツ
ロープ編みのやり方を美容師がわかりやすく解説。基本の作り方から、ポニーテール・ハーフアップ・ダウンスタイルへの応用まで、自宅でできるアレンジを多賀城・名取のコス…
約5分で読めます
この記事に関連するメニュー